旅行ライターの松岡絵里が、夏休みに行きたい国内のプチ秘境旅を提案するシリーズ。第2回は、宮古島から行ける離島「下地島(しもじしま)」です。ここには、航空マニアの聖地とも言われている、訓練用の空港「下地島空港」があります。カリブ海かと見紛うほどのエメラルドグリーンの海をバックに、飛行機の離発着を見られるかも。
ハワイにもカリブ海にも負けない美しい海
静寂に包まれた空港と、鮮やかなエメラルドグリーン
島唯一の空港は、現在は定期便の就航は無く、パイロットの練習場となっています。そのため車を進めて空港周辺に向かっても、周囲は不思議な静寂に包まれています。ターミナルは時が止まったようで、なんだか「空港」のイメージが覆されるのです。
空港の東側にあるのは、素朴な一本道。空港の敷地に沿って車を走らせるとすぐに、右手に海が見えてきます。奇岩がニョキニョキと海から突き出ている光景は、それだけで絶景です。けれどもハイライトはその後。前方の美しい海を眺めていると…ある地点から急に、海の色が輝くようなエメラルドグリーンに。「この色は一体どうして?」と思わず座席から身を乗り出してしまうほどです。
タイミングが合えば、この滑走路に離発着する飛行機を間近で見られることも。現在は小型機のみですが、エメラルドグリーンの海を抜けて飛行機が舞う姿は、実にドラマチックで、思わず拍手したくなります。
海水浴やシュノーケリングなら「中の島ビーチ」へ
忘れてはいけないのが、シュノーケルセット。ここは白砂のビーチのすぐ先にサンゴ礁が広がっていて、カラフルな熱帯魚と戯れることができます。その美しさは、まるで水族館の水槽の中を泳いでいるよう。
ただしビーチハウスなどのお店やシャワー施設のない、ワイルドなビーチです。飲み物や軽食などの準備もお忘れなく。サンゴ礁の充実度は日本有数のビーチですが、人は多くなく、秘境感とともに日本の自然の多彩さを味わえます。
実は海とも繋がっている神秘の池「通り池」
秘境感を求めるなら、今がおすすめ
ただし、これまで知る人ぞ知る離島だった「下地島」ですが、ラグジュアリーホテルの建設が計画されているとか。のちのち、チャーター便で下地島空港に乗りつけて豪華ホテルステイも可能になるかもしれません。ひっそりとした秘境感を求めるなら、その前に足を運ぶのもいいでしょう。
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文:松岡絵里 構成:相馬由子