イタリアンスイーツで記憶に新しいのは、昨年一世を風靡した、イタリアはローマ発祥のスイーツ「マリトッツォ」。ふわっとしたブリオッシュにたっぷりのクリームが詰まったマリトッツォを頬張るのは至福の時ですよね。
そんなマリトッツォの次に流行るのはシチリア発祥のスイーツ「カッサータ」かもしれない、という話があったと聞き、日本語で検索してみたところ…。
「あれ?私が知っているカッサータじゃない…」
ということで本記事では、シチリア在住の筆者が、本場シチリアのスイーツ「カッサータ」についてご案内します。
目次
カッサータとは
カッサータ(Cassata)とは、基本的には後述する「カッサータ・シチリアーナ(Cassata siciliana)」というスイーツのことを指します。
シチリアを代表する郷土菓子の1つですが、同じシチリアの中でも地域によってはこのカッサータ・シチリアーナの他に、カッサータと呼ばれる形の違ったスイーツもあります。
カッサータ・シチリアーナ(Cassata siciliana)
定番の「カッサータ・シチリアーナ」とは、写真のような緑色のマジパンに囲まれた可愛らしいケーキです。
<カッサータ・シチリアーナ>
筆者のシチリアスイーツに関する記事でもご紹介しました。
マジパンの中にはスポンジケーキとリコッタチーズが詰まっており、外側はフルーツの砂糖漬けで飾り付けされます。たいていの場合、リコッタチーズにはチョコチップが入っています。
<ホールのカッサータを1ピースに切ったもの>
一口サイズのものは「小さいカッサータ」という意味で「カッサティーナ」と呼ばれています。
<カッサティーナ(写真左)>
このカッサータ・シチリアーナは、シチリアでしたらだいたいどんなお菓子屋さんでも置いてありますので、旅行中に試せる機会も多いと思います。
その他のカッサータ
カッサータと一口に言っても奥が深く、前述のように、地域によってはカッサータという名前の別のスイーツがあります。
ただ、まったく違うスイーツなのではなく、「リコッタチーズを使ったスイーツである」ということは共通しています。いくつかご紹介しましょう。
カッサータ・アル・フォルノ(Cassata al forno)
シチリア西部、州都があるパレルモ地域でよく見るのが、オーブンで焼いたタイプの「カッサータ・アル・フォルノ」。
実は、このカッサータ・アル・フォルノの方が歴史は古いのですが、今では先ほどご紹介したカッサータ・シチリアーナの方が主流になっています。
<カッサータ・アル・フォルノ>
こちらは、クッキーのような生地の中にチョコチップ入りのリコッタチーズを入れ、オーブンで焼きあげています。シチリア東部ではあまり見かけませんので、パレルモ地域で見たらとりあえず食べておくのをおすすめします。
カッサータ・ラグサーナ(Cassata ragusana)
シチリア南東部ラグーサ地域には、写真のような星形の「カッサータ」があります。こちらのカッサータこそ本当に、このラグーサ地域だけでしか見かけません。見つけたら他の町に移る前に食べておきましょう。
<カッサータ・ラグサーナ>
星形にした薄い器型の生地に、チョコチップなどが入ったリコッタチーズのクリームを載せて焼き上げます。シンプルかつ程よい甘さで、おやつだけでなく朝ごはんにも合いそうです。
さいごに
今回は、本場シチリアのスイーツ、カッサータについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
みなさんもお気に入りのお菓子屋さんケーキ屋さんがあるかと思いますが、それはイタリア人も然り。シチリア旅行の際には、地元の人におすすめのパスティチェリアや、美味しいカッサータが食べられるお店を聞いてみてもいいかもしれません。ぜひ、本場で本物のカッサータを味わって帰ってくださいね。