イギリスではどの街にも必ずチャリティショップを見かけます。100年以上前の1890年代にイギリスではじまったとされるチャリティショップ事情や実際の楽しみ方を、チャリティショップ巡りにはまっている在英ライターがご紹介します。
目次
- ボランティア発祥の国・イギリスには欠かせないチャリティショップ
- チャリティショップとは?
- オックスフォード発祥、Oxfam(オックスファム)
- 1軒ごとに個性のあるアイテムが並ぶ
- コラボ商品も見逃せない!
- 買う楽しさ、支える喜び、2度うれしいチャリティショップ!
ボランティア発祥の国・イギリスには欠かせないチャリティショップ
<イギリスでよく見るチャリティショップ>
イギリスに長く住む筆者が感じるイギリスの素敵なところのひとつに「チャリティ、ボランティア精神」が挙げられます。最近では2020年からのコロナ禍でもボランティアの存在は大きく、スムーズなワクチン接種が進んでいることはもちろん、臨床試験の段階でも多くのボランティアの存在があってこその成果と言えます。また日常生活の中でも、子供からお年寄りまで誰もが当たり前のこととして社会に貢献しようとする姿はとても清々しいものです。
今回は、イギリスのどの街にでも必ず数軒ある「チャリティショップ」についてその歴史や楽しみ方をご紹介します。
チャリティショップとは?
チャリティショップとは?チャリティショップとは、1890年代にイギリスではじまったとされ、チャリティ団体の運営を支えるための中古品の販売店のことです。また、筆者の住むイギリス、オックスフォードでは、現在は世界的に有名なNGOであるOxfam(オックスファム)という慈善団体が第二次世界大戦直後の1948年にチャリティショップを開店しました。
一般市民から不用品を寄付してもらい、安く売り、その売り上げをチャリティ団体の運営に充てるという仕組みを取っています。また、チャリティショップのスタッフもボランティアで切り盛りしているところがほとんどです。チャリティ団体に賛同する場合は「不用品を寄付する」「お店のお手伝いをする」「売り物を購入する」という3つの方法で貢献することができます。
掘り出しものや一品限りのお気に入りに出会えることもある、チャリティショップめぐりを密かに楽しみにしているイギリス人が実はたくさんいます。
オックスフォード発祥、Oxfam(オックスファム)
<オックスファムのショップ1号店はここからスタート>
現在は世界的な組織となったOxfam(オックスファム)は1942年にイギリス・オックスフォードで設立されました。現在は、世界各地の貧困に苦しんでいる地域の改善、特に貧しい地域への教育の普及や仕事環境の改善(フェアトレード事業)、また人権保護を中心に活動しているチャリティ組織です。オックスフォードには8店舗、イギリスには700店舗以上のOxfam経営のチャリティショップがあるというとても大きな組織です。
<Oxfamのチャリティブックショップ>
たいていのチャリティショップは、なんでもありのリサイクルショップのようなところが多いのですが、中には中古本に特化したブックショップもあります。
そのほか、Cancer Research UK(がん研究団体)、Age UK(高齢者を支援する団体)、British Red Cross(イギリス赤十字)など様々な種類のチャリティショップがイギリスにはあります。
1軒ごとに個性のあるアイテムが並ぶ
では、チャリティショップの一部をご紹介しましょう。
<きれいにサイズ分けされた女性服>
たいていのお店の大部分を占めるのは、やはり女性用の洋服などです。どのお店もサイズごとにしっかり仕分けがされています。ときには一流ブランドのものや、普段なら目に留まらない個性的なアイテムを発見できたりといろいろな楽しみ方があります。
<1点ものばかりのアクセサリーもおすすめ>
筆者がチャリティショップ巡りで必ずチェックするのは、食器や花瓶などの陶器や陶磁器のエリアです。イギリスで有名なウェッジウッド、ドイツのマイセン、オランダのデルフトなどヨーロッパのブランドばかりか、ときには日本の伊万里焼のお皿などを見つけたこともあります。中古品なのですべて1点限りですが、思いがけないお気に入りを見つけることができるでしょう。
近年では、アフリカや南アメリカなどでの労働環境の改善、人権保護の観点からフェアトレードに力を入れるチャリティも多く、ショップにはフェアトレードのコーヒー、チョコレートなどを取り扱っているところも多くあります。
環境にやさしいボディソープヘアケア商品、またボトルもプラスチックは最小限にとどめるなど、エコを意識した商品も多数。
コラボ商品も見逃せない!
かわいいオリジナルコラボ商品も見逃せません。Oxfamでは現在、ムーミンとのコラボ商品を多数そろえており、エコバッグ、手帳、ノート、キーホルダーなどの雑貨や文房具がとにかくかわいい!
買う楽しさ、支える喜び、2度うれしいチャリティショップ!
掘り出しものや、他では見つけられないお気に入りを見つけることができ、気分はまるで蚤の市巡りのようにわくわくするチャリティショップ巡り。チャリティショップのいいところはそれだけではありません。賛同するチャリティに、商品を購入することで貢献できるという一粒で2度幸せを味わえます。ついつい定期的にチャリティショップ巡りをしてしまうイギリス人が多いのも頷けます。