オランダで400年前から愛されてるバタークッキーや、日本人にとっても昔懐かしいキャラメル味のワッフル、「世界一まずい」キャンディー、オランダ王室御用達のチョコレートなど、オランダのスーパーでお手軽に購入できるお土産スイーツをご紹介します。
目次
- 1. キャラメルとろける「ストロープワッフル」
- 2. ピンク色のケーキ「トンプース」
- 3. ずっしりバタークッキー「へフルデクーク」
- 4. 世界一まずいキャンディー「ドロップ」
- 5. クランチーなバタークッキー「ヨーデンクックン」
- 6. 風車型のジンジャークッキー「スペキュラース」
- 7. オランダ王室御用達のチョコレート「ドロステ」
- 8. 禁断の飲むプリン「フラー」
1. キャラメルとろける「ストロープワッフル」
ストロープワッフル(stroopwafel)は、薄焼きにしたワッフルの間にキャラメルシロップを挟んだオランダ発祥のお菓子です。昔懐かしいキャラメル味で、日本人の口にも良く合います。子供から年配の方までどなたにも喜ばれるので、私は日本に帰国するたびにお土産として購入しています。
19世紀初頭のゴーダの街で、とあるパン職人が残り物でつくったお菓子がストロープワッフルの起源とされています。「貧乏人のクッキー」と呼ばれていたストロープワッフルは、やがてオランダ全土に広まり、20世紀には工場で大量生産される人気のお菓子になりました。
スーパーに並ぶストロープワッフルにはキャラメルの他にも、チョコレートやハチミツ、イチゴ、マンゴー、ラベンダーなど様々なフレーバーがあります。温かいコーヒーカップにのせて、キャラメルを柔らかくしてから食べるのがオランダ流です。
2. ピンク色のケーキ「トンプース」
トンプース(tompoes)はフランスのミルフィーユを元に、アムステルダムの菓子職人が19世紀に創作したケーキです。コミカルな語感の「トンプース」は、当時サーカスで活躍していた小人症の舞台俳優 トム・プース にちなんで名づけられました。
たっぷりのカスタードクリームをパイ生地で挟み、ピンク色のアイシングでコーティングされます。伝統的に形は長方形、アイシングの色はピンクと決まっていますが、オランダ国王の誕生日やサッカーのワールドカップなど、国を挙げたイベントの際にはナショナルカラーのオレンジ・トンプースが登場します。
トンプースは普通のケーキのよう食べようとするとカスタードが飛び出してしまうため、食べにくいお菓子としても有名です。私の友人のオランダ人たちは、横に倒して上下を別々に食べたり、手で持ってかぶりついたり、各々が独自のテクニックを編みだしているようです。
3. ずっしりバタークッキー「へフルデクーク」
へフルデクーク(gevulde koek)の へフルデは「詰め物をした」という意味で、アーモンドペーストが詰められたバタークッキーです。直径が約10cmで厚みもあり、生地にはたっぷりのバターが使用されているので、1枚でも食べ応え十分の濃厚クッキーです。
溶き卵を塗って焼かれた表面はツヤツヤで、ずっしりとした重量感と相まって日本の月餅を思い起こさせます。しっとりした食感で、バターとアーモンドの芳醇な香りが口に広がります。
スーパーでお土産として購入することもできますが、オランダ滞在中はぜひベーカリーの焼きたても味わってみてください。駅のキオスクでも売られているので、鉄道の旅のお供にもおすすめです。
4. 世界一まずいキャンディー「ドロップ」
オランダで子供から大人まで幅広く愛されているドロップ(drop)は、リコリスと塩化アンモニウムで味付けされたキャンディーです。北欧ではサルミアッキと呼ばれ、外国人の間では「世界一まずいキャンディー」と話題になることもしばしばです。カーボンブラックで着色された真っ黒な見た目、強い塩味とアンモニア臭、タイヤのような食感は、もちろん日本人の口にも合いません。
ただし、色々な種類を食べ比べているうちに、美味しいと思えるドロップが見つかったり、次第にその独特な味にはまったり、ドロップには奥深い魅力があります。生薬としても使われるリコリスには抗炎症作用があり、咳を鎮める効果もあります。
とりあえずは「世界一まずいキャンディー」として日本に持ち帰り、「やっぱりまずい!」と皆で笑ってお土産話に花を咲かせるのも楽しいかもしれません。ちなみに、オランダのドロップは日本語のドロップの語源とされています。
5. クランチーなバタークッキー「ヨーデンクックン」
ヨーデンクックン(jodenkoeken)は直径10cmほどの丸いバタークッキーです。ショートブレッドタイプで、ほどよい甘さとクランチーな食感が日本人の口にもよく合います。飽きのこないシンプルな美味しさで、私が日頃からヘビロテしているクッキーです。
17世紀のパン職人が考案したレシピが起源とされ、400年もの間愛され続けている国民的スイーツです。薄く焼かれるヨーデンクックンは生産コストが安いため、当時貧しかったユダヤ人にちなんで、「ヨーデン(ユダヤの)クックン(クッキー)」と名づけられました。
スーパーでは昔ながらのレシピで焼かれたヨーデンクックンを購入できます。私のお気に入りは、Davelaar社の黄色いクラッシックなクッキー缶(写真右から2番目)です。
6. 風車型のジンジャークッキー「スペキュラース」
スペキュラース(speculaas)は『オランダで食べたい冬スイーツ7選』でもご紹介した、生姜やシナモン、白胡椒、ナツメグ、カルダモンなどのスパイスが香るジンジャークッキーです。17世紀、ヨーロッパの香辛料貿易の中心地だったアムステルダムで生まれました。
ほどよい硬さのスペキュラースは、キャラメルとスパイスが互いに風味を引きたてあい、クセになる美味しさです。裏面にアーモンドスライスをつけたものや、生地にアーモンド粉を練りこんだものもあります。
もともとは聖ニコラス祭(12月6日に祝うオランダのクリスマス)のために焼かれていましたが、現在では季節をとわず、色々な形のスペキュラースを購入できます。風車型のスペキュラースや、デルフト柄の缶に入った商品(写真中央)はオランダ土産として喜ばれます。
7. オランダ王室御用達のチョコレート「ドロステ」
オランダ人は朝食のパンにチョコレートをのせたり、夏も冬もチョコレートドリンクを飲んだりするほどチョコレートが大好きです。そんなオランダで長年愛され続けているのが1863年創業のオランダ王室御用達チョコレートメーカー、ドロステ(Droste)です。
スーパーではロングセラーのパステルロールシリーズをお手軽に購入できます。私も一度食べてからその美味しさと魅力にはまりました。1つ目の魅力はやはり、ミルク、ビター、ホワイト、オレンジ、ダークミント、チョコチップ入りのストラチアテラなどなど、フレーバーの豊富さです。2つ目は丸型の一口サイズという食べやすさ、15cmの筒状パッケージという持ち運びやすさから、ついついバックにしのばせてしまいます。
2箱入りのパッケージ(写真右上)や、贅沢な60枚入りのデルフト柄のパッケージ(写真下)、チューリップや風車のチョコレートを詰め合わせたアソートボックス(写真左上)もあり、チョコ好きの方には最適のお土産です。
8. 禁断の飲むプリン「フラー」
フラー(vla)は牛乳に卵や砂糖、バニラなどを加えたカスタードで、「飲むプリン」の異名を取る禁断のスイーツです。カスタードクリームよりも柔らかく、ふわっとした食感で、ホイップクリームが添えられることもあります。
スーパーには紙パック入りのフラーがずらりと並びます。最もポピュラーなバニラをはじめ、チョコレート、キャラメル、バナナ、イチゴ、マンゴーなどたくさんの種類があります。2種類の味が楽しめるダブル・フラーや、桃や梨などが入った季節限定商品も人気です。
フラーはオランダの国民的スイーツですが、家庭で食べるデザートなので、外国人観光客の間では知名度が高くありません。日本への持ち帰りは難しく、お土産には向かないかも知れませんが、番外編としてご紹介させていただきました。オランダでしか手に入らない「飲むプリン」を、ぜひ滞在中に召し上がってみてください。