2020年の1月中旬ごろ、ニュージーランドでも新型コロナウイルスによる影響で、日本や他国からの入国者を中心に注意が呼び掛けられるようになりました。2月に入り、ニュージーランドでは一部の国からの入国が出来なくなったり、その他の国から入国する際には、入国後14日間の自主隔離をするよう呼びかけられました。
そして、初めての感染者が出た2月の後半から徐々に感染者の数は増え続け、3月の後半には新型コロナウイルスの警戒レベルが2から3に上がり、その2日後には感染者が300人となる目前に、ニュージーランドでは最高レベルの4を発表し、ニュージーランド全国内でロックダウン(都市封鎖)宣言が出されました。
今回は、ニュージーランド在住の私MIKKIが、ロックダウン中のニュージーランドの現状を報告します。
目次
- 外出が制限され、人との接触を避ける
- ロックダウン中の買い物
- ロックダウン中も散歩や運動は続けることができる
- 笑顔を生み出す、人々の心温まる行動
- ロックダウン中の教育
- 国民の質問に首相も自宅から答える
- 新型コロナウイルスに関するその他の記事
外出が制限され、人との接触を避ける
<とても静かな道路>
ロックダウンが始まって学校も休校、すべての飲食店やお店が閉まり、生活に無くてはならない職種以外の業務は家での自宅勤務が必須となりました。その為、朝や夕方は通勤や学校に向かう車でいっぱいの道路はがらんとしています。
食料や薬などを買いに行くときには車の使用が許されていますが、その他の理由では車を使った遠出は許されていません。万が一の事故や故障が発生したりと、多くの人と接触せざるを得ない状況を避けるためです。パトカーが見回りをしていたり、道路で質問を受けることもあります。
ロックダウン中の買い物
<食料品を買うために外で順番を待つ人たち>
外出が許される一つの理由として、食料品の買い出しがあります。いつも何気なく行くスーパーマーケットも緊張感があります。スーパーマーケット内では人数制限がされている為、外で順番待ちをする人たちがいます。
外出するときの決まり事として、他の人との間隔を2メートル以上あけることが義務づけられている為、列を作っての順番待ちでも人と人との間隔を保たなければなりません。
スーパーマーケットでの買い物が出来るのは一家族につき一人のみで、子供達など一人で家に残れないという環境の人以外はみんなで買い物に行くことは出来ません。商品によっては、みんなが均等に買えるよう、購入できる個数が決まっているものもあります。
<スーパーマーケットに行くときの必需品>
ニュージーランドではマスクの着用は義務付けられていませんが、私の家族はスーパーマーケットに行くときには必ず付けて行きます。なるべく公共の物を触らないよう心掛けていますが、スーパーマーケットなどでの買い物では難しい時もありますので、手袋をして外出しています。店内では買い物かごやショッピングカートの持ち手部分はすぐに消毒され、消費者には商品を必要以上に触ることの無いよう呼びかけられています。
<購入してきた食料品>
スーパーマーケットから帰宅後、購入してきた食料品のパッケージなどを石鹸水で絞ったタオルなどで拭くなどといった処置が呼び掛けられています。私の家ではスーパーマーケットに行った際は公共の物を使用したり、人との会話や接触がある為、国からの指示は無いものの、帰宅後には使用したマスク、手袋、着ていたものをすぐに洗うようにしています。
ロックダウン中も散歩や運動は続けることができる
<すべての公園の遊具は閉鎖されている>
公共で使用する公園の遊具は使えないように囲われています。海水浴やサーフィン等のマリンスポーツも、人が集まってしまうので禁止となりました。公園で遊ぶことやビーチで遊ぶことは出来ませんが、家の近くを歩いたりジョギングをしたり、サイクリングをしたりと、健康面を考え少しの運動をすることは許されています。人と人がすれ違わなければいけない時も、間隔を2メートルあけるのは変わらず行わなければいけません。
笑顔を生み出す、人々の心温まる行動
<家の窓からのぞくテディベア(作成者の自宅にて)>
テディベアを家や車の窓の近くに置いて飾り、家の近所を散歩やジョギングする人たちに見つけてもらおうと、ロックダウンが始まってすぐに人々が自ら考え行いはじめました。パトカーの助手席に大きなテディベアを乗せて見回りをする警察官や、食料品のデリバリーのトラックに小さなテディベアを飾って荷物を届ける配達の人など、新型コロナウイルスの影響で学校に行けない子供達をはじめ、心配が絶えない毎日に心が病んでしまう大人達にも、こうした人々の温かい行動が笑顔と笑いをもたらせてくれます。
ロックダウン中の教育
<パソコンに向かって学習>
生徒たちは学校の先生たちから送られてくるメッセージを毎日チェックし、課題を進めています。7歳の娘は、自分で書いた作文や作った工作などを写真に撮り、先生にパソコンを利用して送っています。4歳になる息子の幼稚園の先生からは、子供たちと出来るアクティビティや遊びながら学べるアイデアが週に一回のペースでメッセージと共に送られてきます。
その他にも、ソーシャルメディアを利用して、子供たちの家での過ごし方やアクティビティのアイデアなどを共有したり、子供たちはお友達同士でお話したりビデオチャットをしたりして遊んでいます。
国民の質問に首相も自宅から答える
<ジャシンダ・アーダーン首相>
ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は、全国でロックダウンが始まる数時間前には自身のソーシャルメディアを利用し、国民の心配を少しでも和らげようと、ロックダウン中の過ごし方についての質問や疑問に答えていました。
そして、ジャシンダ・アーダーン首相が呼び掛けるのは、「Be kind(思いやり)」という言葉です。危険と隣り合わせで働く人々に感謝し、人と人とが思いやりを持って行動しようと呼び掛けています。こんな不安で心配な日々も、みんなで乗り越えようという団結心を感じます。
これからも日々変化していくだろうと思われる、新型コロナウイルスの現状ですが、「Be kind(思いやり)」という言葉を忘れず、毎日を過ごしていこうと思います。