7kmも続く静内の桜並木から、愛され続ける古木・根尾谷の淡墨桜まで!東日本の桜の名所7選
3月から5月にかけて日本を北上する桜前線。ソメイヨシノはもちろんシダレザクラやヤマザクラなど、品種もいろいろ。わに塚や三春の一本桜、角館の桜並木、弘前の花筏、新倉山浅間公園の富士山との対比など、それぞれに魅力的です。今回は東日本の桜の名所を7つご紹介。場所によっては雪の残る山との競演も美しく、春の到来に心が弾みます。

【北海道新ひだか町】どこまでも続きそう!「静内二十間道路桜並木」

【北海道新ひだか町】どこまでも続きそう!「静内二十間道路桜並木」
桜並木の向こうには日高山脈を望む
道幅が二十間(約36m)であることからその名がついた「静内二十間(しずないにじゅっけん)道路」。7kmにわたってまっすぐ続く道に約2000本が咲き誇ります。

皇族の行啓道路として造成された道路で、大正時代に3年の月日を費やして近隣の山々からエゾヤマザクラを移植。樹齢100年を超えるものも数多くあります。現在の品種は約7割がエゾヤマザクラ。「さくら名所100選」「日本の道100選」「北海道遺産」などに選ばれ、開花の時季は道内外から多くの人がその美しい眺めを楽しみに訪れます。

◎開花時期:5月上旬
◎桜の本数:エゾヤマザクラなど約2000本
◎イベント:しずない桜まつり(例年は5月上旬~中旬に開催、2021年は未定)
◎料金:無料

【青森県弘前市】散りぎわまでも美しい「弘前公園」

【青森県弘前市】散りぎわまでも美しい「弘前公園」
お濠が一面の花びらで淡いピンクに染まる「花筏(はないかだ)」
弘前藩主の居城だった弘前城が明治になって開放された「弘前公園」。江戸時代に建てられた「現存天守」やお濠などをソメイヨシノやヤエベニシダレなど52種約2600本の桜が彩る美しい風景は、「みちのく三大桜名所」のひとつにも数えられています。

日本最古といわれる二の丸のソメイヨシノのほか、樹齢100年を超えるソメイヨシノが400本以上。りんごの栽培技術を参考にした高い管理技術のおかげで木の数に対して花の数が多いのが特徴で、古木でありながら豊かな花を咲かせています。

◎開花時期:4月下旬~5月上旬
◎桜の本数:ソメイヨシノ約1700本、ヤエベニシダレ約180本ほか
◎イベント:弘前さくらまつり、園内ライトアップ(いずれも例年は見頃に合わせて実施。2021年は検討中)
◎料金:無料(園内一部有料:弘前公園本丸・弘前城植物園各大人320円、小人100円)

【秋田県仙北市】みちのくの小京都を彩る「角館のしだれ桜」

【秋田県仙北市】みちのくの小京都を彩る「角館のしだれ桜」
武家屋敷通りでは両側から垂れ下がるようにシダレザクラが並ぶ
弘前公園や「北上展勝地」(岩手県北上市)とともに「みちのく三大桜名所」に数えられる角館の桜。藩政時代の町割や屋敷が今も残り、“みちのくの小京都”と称される風情ある街並みが桜色に染まります。

京都にルーツを持つ国の天然記念物・シダレザクラ(写真)が美しいのは、国の重要伝統的建造物群保存地区でもある武家屋敷通り。また、通りから歩いて3分ほどの桧木内川堤には400本のソメイヨシノが並び、清流との競演も楽しめます。

◎開花時期:4月下旬~5月上旬
◎桜の本数:シダレザクラ約400本
◎イベント:角館の桜まつり(4月20日〜5月5日)
◎料金:無料

【福島県三春町】流れ落ちる滝のような「三春滝桜」

【福島県三春町】流れ落ちる滝のような「三春滝桜」
東日本大震災も大きな損傷なく乗り越え、見事な花を咲かせる
国指定の天然記念物日本五大桜のひとつ「三春滝桜(みはるたきざくら)」。江戸時代にはすでに銘木として広く知られていたベニシダレザクラで、三春藩主の御用木として保護されてきた歴史も持っています。

樹高13.5m、根回り11.3m、幹回り9.5m、枝張りは東西25m、南北20mにも達する巨木。樹齢1000年以上ともいわれる古木でもあります。無数の花が段になってしだれるさまは重量感があり、文字通り滝のよう。薄紅色の“名瀑”を求めて毎年多くの見物客が訪れます。

◎開花時期:4月中旬頃
◎桜の本数:ベニシダレザクラ1本
◎イベント:愛姫桜まつり(4月1日〜終了未定)
◎料金:観桜料金300円(中学生以下無料)

【山梨県韮崎市】凜と立つ姿が絵になる「わに塚」

【山梨県韮崎市】凜と立つ姿が絵になる「わに塚」
雪の残る山とのコントラストも美しい
韮崎段丘の中央部、こんもりと盛り上がった「王仁塚」の上に立つ一本桜「わに塚のサクラ」。韮崎市の文化財にも指定されている樹齢約330年のエドヒガンザクラの巨木です。

丸く整った樹形が美しく、郵政省(当時)のポスターや、テレビドラマのタイトルバックに使われたことも。樹高17m、幹回り3.6mを誇る堂々とした佇まいはもちろん、八ヶ岳や富士山・茅ヶ岳といった名峰や夕焼けをバックにした姿もフォトジェニックです。開花の時季には根元に水仙も咲き誇り、いっそう春らしい景色が広がります。

◎開花時期:3月下旬〜4月上旬
◎桜の本数:エドヒガンザクラ1本
◎イベント:ライトアップ(3月26日~4月4日の18:30~20:30を予定。開花状況などにより変更の場合あり)
◎料金:無料

【岐阜県本巣市】危機を乗り越えて咲き続ける「根尾谷淡墨桜」

【岐阜県本巣市】危機を乗り越えて咲き続ける「根尾谷淡墨桜」
提供/本巣市観光協会
日本五大桜のひとつで、三春の滝桜とともに日本三大巨桜にも数えられる国指定の天然記念物「根尾谷淡墨桜(ねおだにうすずみざくら)」。『古事記』や『日本書紀』に登場する継体天皇が手ずから植えたという伝承も残るほど長い歴史を持ちます。

つぼみは薄いピンク色、満開時は白、散りぎわは淡い墨色を帯びるのが特徴で、名前もそこからついたもの。樹齢は1500年ほどにもなりますが、この桜を愛する人々の尽力もあって何度も枯れ死の危機を乗り越え、今も毎年花を咲かせています。

◎開花時期:3月下旬〜4月中旬※満開は4月上旬〜中旬
◎桜の本数:淡墨桜1本※横に子孫の桜あり
◎イベント:ライトアップ(例年は3月20日〜5月6日ころ。2021は実施未定)
◎料金:無料

【山梨県富士吉田市】夢のような“日本の春”「新倉山浅間公園」

【新倉山浅間公園】
数ヶ月前に訪れたこの場所、うっすらとさえも見えなかった富士山?
いつか桜の咲く頃にリベンジしようと心に決めてました。

他のユーザーさんのお写真と比べると、かなり控えめではありますが、姿を現してくれました♡

新倉山の中腹にあり、398段の階段でアクセスする「新倉山浅間(あらくらやませんげん)公園」。富士五湖エリアでも屈指の雄大な富士山を楽しめるビューポイントです。

公園内には約650本のソメイヨシノがあり、見頃の時季には“これぞ日本の春”ともいえる五重塔・桜・富士山の幻想的な競演が楽しめます。海外の日本旅行ガイドブックの表紙にも写真が使われたことから、国内はもとより外国からの観光客にも大人気。新倉富士浅間神社参拝や新倉山に登るハイキングなど、さまざまな楽しみ方ができます。

◎開花時期:4月上旬
◎桜の本数:ソメイヨシノ約650本ほか
◎イベント:新倉山浅間公園桜まつり(例年は見頃に合わせて開催。2021年は未定)
◎料金:無料

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

文:高柳涼子

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です