週末に小旅行するように、瀬戸内の島を訪れてみませんか?
香川県にある小豆島と豊島(てしま)は、アートやオリーブで全国的にも知られている島。今回は、初めての島旅でも楽しめる、夏休みにおすすめのスポットを5つご紹介します。

小豆島の伝統「手延べそうめん」の箸わけ体験

小豆島へは高松港から高速船で30分ほど。関東からでも早起きして早朝便のLCC「ジェットスター」に乗れば、午前中には瀬戸内海最大の島、「小豆島」へ到着です。
この島では、手延べそうめんがの生産が盛んで、400年余もの歴史があります。今回は数ある製麺所の中でも、箸を使ってそうめんを伸ばす昔ながらの”箸分け”を体験できる「なかぶ庵」さんをお邪魔しました。

箸分けとは、そうめんのもとになる太い麺を少しずつのばし、背丈ほどの長さになったら箸を使い、くっついた麺を分けていく作業のこと。弾力のある生地をゴムのように少しずつ伸ばし、細い糸のようになれば成功です。これを乾燥させたものがそうめんになります。

体験が終わると今度は試食。こちらの製麺所では、乾燥させる前のやわらかい「生そうめん」を試食することができます。一口食べてみると、これまで食べたそうめんとは全く違う、プリプリとした食感。噛み切ろうとすると、モチッとした粘りがあります。こちらの生そうめんは販売もしているので、おみやげにもおすすめです。

■なかぶ庵
[住所]香川県小豆島町安田甲1385
[TEL]0879-82-3669
[時間]10:00~16:30
[休]月曜(祝日の場合は翌日)
[HP]http://www.shodoshima-nakabuan.co.jp/
※「箸分け体験・工場見学・食事」(1100円)

小豆島の伝統「手延べそうめん」の箸わけ体験

地中海のような景色が広がる「オリーブ園」

地中海のような景色が広がる「オリーブ園」

小豆島はオリーブの栽培が日本で最初に始まった場所。島内を散策すると、そこかしこにオリーブの木を見ることができます。
なかでも真っ白なギリシャ風車が目を引く、道の駅「小豆島オリーブ公園」は規模も大きく、島内のオリーブ栽培の歴史を辿ったり、おみやげを購入したりできます。

オリーブ畑を散策するときは、葉に注目してみましょう。ごくまれに、ハートの形をしたオリーブの葉が紛れ込んでいるのだとか。運よくハートの葉を見つけたら、施設で栞にしてもらえるのでお願いしてみましょう。

オリーブ園にはもう一つの見どころがあります。
昨年公開された映画『魔女の宅急便』で、主人公のキキが働いていたパン屋さんのロケハウスが、敷地内のハーブ園にハーブショップとして残っています。キキのホウキが飾られたかわいらしい店内では、ハーブティーやポプリを販売しています。オリーブ園に行くときはぜひ立ち寄ってみてくださいね。

■道の駅「小豆島オリーブ公園」
[住所]香川県小豆島町西村甲1941-1
[TEL]0879-82-2200
[時間]8:30~17:00
[休]無休
[HP]http://www.olive-pk.jp/

ハートの形をしたオリーブの葉

キキのホウキが飾られた店内

小豆島唯一の酒蔵「森國酒造へ」

小豆島唯一の酒蔵「森國酒造へ」
そして、お酒好きなら必ず訪れたいのが小豆島唯一の酒蔵「森國酒造」。7年前にできたばかりの新しい酒蔵です。
とても小さな規模ながら、ロンドンで行われた世界的な日本酒の品評会で金賞を受賞するなど、品質の高い日本酒を作り続けています。島の湧き水を利用して作る日本酒は、黄色みがかった琥珀色。よく見かける日本酒は濾過して透明なものが多いなか、こちらは無濾過で、うま味を感じられるお酒です。

お酒の販売や試飲できるコーナーもあります。
特におすすめなのが、”若い人に飲んでもらいたい”という思いでつくられたかわいらしいラベルの4つのお酒。
それぞれ島の風景からイメージした名前になっています。

◆びびび。 本醸造酒 1800ml(2268円)
「海にさす陽射し」
◆うとうと。 純米酒 720ml(1659円)
「瀬戸内海に舞うかもめ」
◆ふわふわ。 純米吟醸酒 720ml(1754円)
「雲がゆったりと動く島時間」
◆ふふふ。 吟醸酒 720ml(1628円)
「寒霞渓の日陰」

全て試飲もできるので、少しずつ味わってお気に入りを見つけてみてくださいね♪

■森國酒造
[住所]香川県小豆島町馬木甲1010-1
[TEL]0879-61-2077
[時間]9:00~17:00(カフェは11:00~17:00)
[休]木曜
[HP]http://www.morikuni.jp/


森國酒造の外観

アートの島、豊島

アートの島、豊島
『空の粒子/唐櫃』
2日目は小豆島からフェリーで40分ほどの豊島へ行ってみましょう。緑が多い豊島には、昔からある景色の中に3年おきに開催されている「瀬戸内国際芸術祭」のアート作品が数多く溶け込んでいます。

この島に来たらぜひ時間をとって訪れたいのが建築家・西沢立衛氏が手がけた「豊島美術館」。
美術館といっても展示が中心の美術館とは違い、真っ白な空間が広がります。ここでは、柱の無い真っ白な空間に、ぽっかりと2つの穴のあいた天井があるだけ。
ここにきたら、じっと時間の流れに身を任せて、刻々と変わるほんの少しの変化を五感で感じてみましょう。そこで感じるものは四季や時間、天気によってひとつとして同じものはありません。

島のアートは美術館の外にもあります。
上の写真は東京を拠点に活躍するアーティスト、青木野江氏による『空の粒子/唐櫃』。野外展示されているので、いつでも無料で観ることができます。

おなかがすいたら「島キッチン」で腹ごしらえしましょう

おなかがすいたら「島キッチン」で腹ごしらえしましょう
お腹がすいたら、『空の粒子』からもほど近い「島キッチン」へ行きましょう。
いちおしの「島キッチンセット」(1620円)は、島の食材をふんだんに使った日替わりのメニューで、訪れる人に評判です。東京・丸ノ内ホテルの一流シェフの監修による料理を作っているのは豊島に住んでいるおかあさんたちです。

この日のメインは天ぷら。鯛やズッキーニ、ジャガイモなど、地元の農家から仕入れた新鮮な食材とともに、自家製のピクルスやスープがつきます。
豆腐屋だった建物をリノベーションしたレトロな店内はオープンキッチンで、自然光が降り注ぎます。落ち着いた空間で、ゆったりと食事を楽しめますよ。

■島キッチン
[住所]香川県土庄町豊島唐櫃1061
[TEL]0879-68-3771
[時間]10:30~16:00(L.O.14:00)
[休]火・水・木曜
[HP]http://www.shimakitchen.com/

豊島から高松港までの船は1日に3~5便ほど。レンタサイクルもあるので、時間が許す限り島内を散策してみてくださいね。

今回利用したLCC「ジェットスター」では、これまで1日2便だった成田空港―高松間の便が、7/18~8/29の土曜日は3便に増えます。
最安で4990円とリーズナブルな価格帯から予約できるので、ちょっとした気分転換に週末島旅を楽しむのもおすすめ。松山、熊本、沖縄など国内9箇所へ就航しているので、旅好きな人の強い味方になりそうですね。

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

文:青柳喬

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