海外留学やホームステイを夢見たのに実現できなかった人、コロナでタイミングを逃したと思っている人にぴったりかもしれないのがワークエクスチェンジ。その全貌を探ってみましょう!

目次

ワークエクスチェンジとは

ワークエクスチェンジとは労働力と宿・食事を交換するシステムです。具体的にいうと、ヘルパーとして住みこんだ家の手伝いをすることで、家主であるホストが無料で宿と食事を提供するのです。労働力を対価にしているので、金銭が発生しないというのが大きな特徴です。

ワークエクスチェンジ

1日4~5時間の労働が原則なので、それ以外の時間は休憩したり観光したり、ホストと交流したりと自由時間もあります。また、金銭が発生しないワークエクスチェンジでは文化交流も大切な一部です。ホストやヘルパー仲間に自国の食事や音楽を紹介してみたりすると喜ばれます。

まさに無料のホームステイのような感じで生きた英語が学べます。ホストによってはいっしょに働くこともあるので仲間としての絆が深まり、超濃厚なローカル体験が可能なのがワークエクスチェンジなのです。

国旗

ワークエクスチェンジの仕事・宿・食事内容

ホストはヘルパーの部屋を用意します。それなりに人手を必要としている人たちなので、ほとんどの場合は田舎の広めの土地(農業関係)であることが多いです。

私はこれまでカナダとオーストラリアで4件の経験があり、田舎町の宿泊施設(B&B)や大きな家庭菜園を持つ一般家庭、犬のブリーダー、大規模農場をヘルパーとして経験しています。

仕事内容

ホストが違えば仕事内容も違いますが、どのホストにしてもただの単純な手伝いという以上に、色んな仕事を経験させてもらいました。

B&Bだと部屋の清掃だけでなく、お客さんへの対応や観光案内も経験しました。一般家庭では家庭菜園の手入れが主な仕事でしたが、植物の無農薬栽培についてかなり勉強になりましたし、薪拾いや敷地内に建てている藁の家の建築の手伝いもしました。

ワークエクスチェンジ

犬のブリーダーでは犬の世話だけでなく、家の掃除や倉庫の修理などもしました。大規模農場では動物の出産場面に立ち会わせてもらったり、トラクターなどの大型農機具の扱い方を学んだりすることができました。

犬

どれにしても日本では経験できないような興味深いことばかりでした。

宿の様子

これもホストによって違います。普通のホームステイのようにホストと同じ家の個室を与えられたこともありますし、ヘルパーが複数いる家では他のヘルパーと相部屋だったこともあります。

個室として庭のキャンピングバスを与えられたこともありました!

キャンピングバス

バスの中はこんな感じです。

キャンピングバス

キャンピングバス

ここではホストは小さな小屋で生活し、ヘルパーにはそれぞれキャラバンなどのキャンピングカーが与えられ、共同スペースとして屋外キッチンやダイニングエリア、トイレ・シャワーがあって毎日がキャンプのようでした。

屋外キッチン

食事の様子

ホストが3食作るところもあれば、手伝いながら一緒に作ったり、あるいは料理が仕事だったり、材料だけ与えられて自炊したり、その買い物には一緒に行くこともあったりと、これもホストによって全く違います。好きなものを聞いてくれるホストもいれば、リクエスト一切お断りの場合もあります。

食材

しかし、どの形態であれ文化交流として日本のものを作ってあげると喜ばれました。おすすめなのはカレーです。カレー粉を入れるだけで出来てしまう日本のカレーは簡単で美味しく評判がよかったです!

カレー

ワークエクスチェンジの探し方

肝心なワークエクスチェンジのホストの探し方ですが、多くのホストがワークエクスチェンジ団体のウェブサイトに登録しています。

有名どころだとウーフ(WWOOF)という有機農場だけを対象にしたワークエクスチェンジ団体がありますが、それ以外にもHelpxやWorkawayといった団体が存在します。

どの団体のサイトでも地名検索でホストを探すことができますが、詳細や他のヘルパーからのレビューを見たり、実際にホストと連絡を取るためには登録料を支払わないといけません。各団体で料金は違いますが年間約3千円からで、HelpxとWorkawayに関しては一度の登録で世界中の登録しているホスト情報を見ることができます。WWOOFに関しては各国で登録料金が別になっているので、興味のある国に絞って登録しないといけないのが難点です。

ワークエクスチェンジにあったら便利な物

基本的に屋外での作業であることが多いので、動きやすい服装や運動靴、作業用の手袋、帽子、サングラスはあるに越したことはありません。ホストが提供してくれることもありますが、自分のものが使いやすいです。

また、長袖のシャツもとっても重宝します。

長袖のシャツ

厚手の服の着替えに余裕がないときには、シャツを上に着ておけば洗うのはシャツだけで済みます。作業後に着替え終わってからも、薪を運ぶのをお願いされたりすることもあるので、シャツを羽織れば服の汚れも心配ありません。

ワークエクスチェンジの心得

実は、現在はホストとして時折ワークエクスチェンジをしていることがあります。ヘルパーとホストを両方経験した私だからこそ言える、ヘルパーに持っておいて欲しい心得があります。

固定概念にとらわれることなく、積極的に挑戦!

国が違えば考え方が違うのも当然。人によって考え方は色々です。色んな経験が積みたいならば、偏見を捨てて積極的に挑戦しましょう。でも、どうしても苦手なことはちゃんとホストに伝えるべきです。

無料の宿と勘違いしない!

無料で泊まれることだけを目的に来る人がたまにいます。テレビがない、インターネットが遅いと不満ばかり言われて困るのはホストです。自分の希望通りに泊まりたいならばお金払ってホテルに泊まるべきです。来る前に自分の使命を確認しましょう。

積極的にコミュニケーションをとろう!

アジア人に多い傾向ですが、個室にこもりがちなヘルパーがたまにいます。文化交流も忘れずに。

ホストに敬意を払うこと!

エクスチェンジとは言え、ホストがヘルパーにやってあげていることの方が遥かに多いです。物質的なことだけでなく予定を変更したり、食事にも気を使います。わがままを言わずにホストには敬意を払いましょう。

ワークエクスチェンジの注意

楽しそうなことだらけのワークエクスチェンジですが、気を付けるべき点もいくつかあります。

エージェントはいないので自己責任

ワークエクスチェンジのサイトからホストを探してコンタクトできますが、サイトはあくまでもホストとヘルパーのプラットフォームでありエージェントではありません。全ては自己責任であることを忘れずに。

ホストもピンキリ

ホームステイのように相手をもてなそうとするビジネスではないので、全てのホストが愛想良く文化交流してくれるとは限りません。私はそこまで酷いホストに当たったことはありませんが、友だちの話を聞くと、仕事は一日中、隙間だらけの小屋で寝泊まり、シャワーは水だけ、食事は買い与えられた物から自炊で、仕事時間以外にホストと顔を合わせることがなかったという話も聞きました。

斧

想像していたのと違うものとならないように、事前にホストの出している情報をよく読み、また他のヘルパーからのレビューを確認することが大事です。

携帯やインターネットの使用状況の確認

仕事・宿・食事内容に気をとられて意外と聞き忘れてしまうのが携帯電波やインターネット環境の状態。場所によってはデータ通信どころか携帯の電波さえ通じないこともありえます。どこの携帯会社なら通じるのか、Wi-Fiはあるのか、ないならどうにかしてインターネットを使える環境にあるのかを確認するのが大事です。

パソコン

また、余暇の使い方も大事。徒歩や公共交通機関でどこか行ける場所があるのか、ホストがどこかへ連れて行ってくれたりするのか。忙しいホストだと午後の自由時間は放置され、田舎過ぎて自力へはどこにも行けず・・・という経験があります。

常備薬や生理用品の準備

田舎だと買い物に簡単に行けません。行けたとしても品物の種類は少ないです。どれだけ滞在するのか分からなくとも、この先1ヶ月は必要だと思うものは持ってきたに越したことはありません。

薬

海外旅行保険

病気や怪我の心配はもちろん、ホストの家で何か壊してしまったときのためにも海外旅行保険は必須です。何度も言いますが、ホームステイではなく自己責任の世界です。

ビザ

金銭が発生しないので基本的には労働ビザなどの特殊なビザは必要なさそうですが、入国管理官によってはボランティア活動にもビザがいると言う人もいるようです。入国の目的をワークエクスチェンジと言うことは避けた方がよさそうです。

パスポート

最後に

後半には少し厳しいことを書いてしまいましたが、自己責任が伴うからこそ楽しいワークエクスチェンジです。それゆえ、ホストは若い人よりも20代後半以上を好む傾向があります。

ワークエクスチェンジはオーストラリアだけでなく世界中の多くの国で行われており、日本でもやっているところがあります。コロナが開けたら、こういう旅の仕方もありかもしれませんね!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です