※こちらの記事は2018年2月7日に公開したものです。

京都に、SNSで「幸せを呼ぶ窓」として注目を集めるお寺があります。
宇治市のお隣、宇治田原町にある正寿院(しょうじゅいん)です。今、多くの女性の心をぎゅっとつかんでいる、話題のお寺を訪ねてみました。

800年の歴史をもつ古刹

800年の歴史をもつ古刹
拝観料は400円。お茶とお菓子の接待付き
正寿院へは、JR宇治駅から京都京阪バスとコミュニティバスを乗り継いで約1時間、バス停奥山田駅まで向かいます。そこから10分ほど歩くとたどり着きます。
宇治田原町は、宇治茶の産地。ちょっとした旅気分を味わいながらバスに乗っていると、時折、お茶のさわやかな香りが風にのってやってくることも。ただ、コミュニティバスはあくまで地域の方が優先。座席に余裕がある場合にお邪魔させてもらいましょう。


毎年7月1日~9月18日には風鈴まつりが行われ、境内が風鈴でいっぱいに
正寿院は、800年ほど前に創建された高野山真言宗のお寺です。お寺の奥にあった滝が「瀧谷」という名前が付けられていたことから、古くは瀧谷寺(りゅうこくじ)とも呼ばれていたのだとか。本尊は秘仏 十一面観音。町指定文化財に指定されており、50年に1度だけご開扉されます。また、快慶作の不動明王坐像は、国指定重要文化財に登録されています。

ハートのかたちの「猪目窓」

ハートのかたちの「猪目窓」
午前と午後で異なる表情を楽しめる
「幸せを呼ぶ窓」として話題を集めているのは、客殿にある「猪目(いのめ)窓」。猪目とは、ハート形をした日本の伝統的な文様のこと。災いを除き、福を招くとしていにしえより親しまれてきました。
猪目窓の特徴は、季節によってハートの中に映る景色が変化すること。春は桜のピンク、夏は新緑のみどり、秋は紅葉の赤、冬は雪の白とその時々によって異なる風景を演出してくれます。夕方には、窓から差し込む夕日が床にハートの影を映し出します。この瞬間は「幸せのおかげ」と呼ばれるシャッターチャンス。ぜひチェックしてみてください。

四神はそれぞれ天井の角におり、お寺を守っているよう
また、160枚の絵が天井を埋め尽くす「花天井画」もみどころ。約100名の日本画家の協力によって描かれた、花と日本の風景をテーマにした華やかな作品が天井を彩ります。160枚中4枚だけある四季の舞妓さんや、風神雷神や四神なども描かれているので、お気に入りを探しながらゆっくり過ごすのもおすすめです。

月に3日間だけもらえる縁起のよい結び紐

月に3日間だけもらえる縁起のよい結び紐
りぼんの形をしたキュートな叶紐
毎月8のつく日には「叶紐(かのうひも)」がもらえます。叶紐は、表が「口」、裏が「十」に結ばれており、合わせると「叶」という文字になることから、願いが叶う縁起物として親しまれてきました。境内の地蔵堂に結ぶと良いとされますが、お守り代わりに持ち帰ってもよいのだとか。

地元のお茶と素朴な甘みにほっとひと息
お茶どころならではのおいしいお茶と、縁起のよいお菓子「福だるま」でもてなしてくれる、心づかいもうれしいところ。
「かわいい」がぎゅっと詰まった京都・宇治田原町のお寺で、ゆったりとしたひとときを過ごしてみてはいかがでしょう。

※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。

文:田中麗 写真:津久井珠美

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