ロンドンのあるイングランドでは、2022年1月27日をもって、新型コロナウィルス対策の「プランB」が終了となりました。マスクの着用義務やワクチン接種証明の提示が廃止されることになり、人々がより自由に行動できるようになりました。
とはいえ、ロンドン市内の公共交通機関や公共施設、小売店など、マスクの着用を引き続き求めているところもあるため、各サービスを利用する前には確認が必要です。
2月初旬の一日の感染者数はまだまだ8万人を超えてはいるものの、コロナと共に生きることに慣れてきて、少しずつ明るい話題も増えてきたロンドンの様子をお届けします。
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旧正月を迎えたばかりのチャイナタウン
ジェラード・ストリート(Gerrard Street)を中心に広がるロンドンのチャイナタウン。2月1日に旧正月を迎えたばかりで、興奮さめやらぬ通りの様子です。
ロンドンでは、ほとんどの人が屋外ではマスクをしません。規制があった時ですら、「外ではする必要なし」と考える人が多く、この辺りの判断は個人にゆだねられていました。
旧正月を祝うデコレーションがあでやかなチャイナタウンには、中国系の方たちはもちろんのこと、さまざまな人種の人々が訪れ、レストランやベーカリー、テイクアウェイショップなどに列をなしていました。ちなみ行列でも「マスクは外なので無し!」という人の方が多く、最近ではソーシャル・ディスタンスもあまり気にせずという状態です。
ここ数年で路面の舗装もしなおされ、新装開店のショップも増えた、New Port Courtという小路のあたりでは、「バブルティ」として知られるタピオカミルクティーや、たい焼きを売っているお店がたくさんあります。
たい焼きも人気なのですが、値段は日本よりもかなりお高め。あるお店では、小ぶりのたい焼きの値段が一匹3ポンド(約470円)!最近の日本でのお値段の相場が分かりませんが、惹かれながらも買うのは我慢してしまいました。
<伝統的な赤い電話ボックスと旧正月の飾りつけ、ゲイバーにかかげられたレインボーフラッグが共存する、雑多な文化が混ざり合うロンドンならでは?な風景>
ナショナル・ギャラリー、トラファルガー広場周辺
「Welcome back(おかえりなさい)」のメッセージが嬉しいナショナル・ギャラリー前の広場。一時は閑散としていたこの場所にも、今は活気が戻っています。ナショナル・ギャラリーは今も入場無料で入館できますが、入場時は事前に入手したEチケットを提示するか、入口前でのQRコードのスキャンが求められます。
館内でのマスクの着用は「推奨」です。とある日曜日の午前中に訪れた際には、館内はあまり込み合っておらず、レオナルド・ダ・ビンチ、セザンヌ、ルーベンス、モネ、ゴッホなどなど、有名絵画をのんびりと観賞することができました。
こちらはすぐその向かい、トラファルガー広場です。観光客と思われる人々も目に付きます。ネルソン提督の記念柱の向こうに見えているのは、国会議事堂の大時計「ビック・ベン」。数年におよぶ改修作業が終わり、ついに覆いが外され、久しぶりにまたここからもその姿を拝めるようになりました。
芸術の本拠地、サウスバンク・センター
トラファルガー広場や国会議事堂からテムズ川を挟んだ南岸には、芸術関連の複合施設、サウスバンク・センターがあります。こちらでも、今はまた毎日のように、クラシック音楽をはじめ、多くの公演が開催されています。
館内では、公演中も含め、マスクの着用が「強く推奨」されています。入場時、コロナウィルスのワクチン接種証明や感染テスト結果の提示は不要です。
サウスバンク・センター名物のフードマーケットも再開しています。こちらもインド料理、ジャマイカ料理、レバノン料理、ベネズエラ料理、タイ料理に和食と、まさに異文化なフードストールがならんでいます。
主要なロンドンへの玄関口のひとつ、ウォータールー駅
最後は、ロンドンと主にイングランド南西部を繋ぐ鉄道の発着駅となっている、ウォータールー駅の様子です。ロンドンでは、サディク・カーン市長により、公共交通機関でのマスク着用は継続して義務付けられています。
ただ、どの地点・時点からマスクをするのかという判断は、こちらも個人次第で、駅の改札を入る前のエリアやプラットフォームでは、マスクをしていない人も多いのが実情です。
オミクロン株に感染することが、風邪やインフルエンザのごとく日常茶飯事となっているロンドンでは、いまやパニックになることもなく、当たり前のこととして共存する術を身に着けてきた感じがします。とはいえ、あまり期間を長く置かずに二度かかる人も多いなど、まだまだ油断は禁物ですが、対策はきちんとほどこしながら、コロナ以前の日常に少しずづ戻っていきたいものです。