北軽井沢の深い森の奥に、「つくつく村」というなんとも可愛らしい宿があります。その佇まいはまるで、幼い頃に読んだおとぎ話に出てくる家のよう。なんと、ご夫婦が2人で一からDIYで作ったという驚きのコテージなんですよ。
深い森を開拓して作ったコテージ
「つくつく村」があるのは、北軽井沢のバス停から車で20分ほど行った静かな森の中。四季折々の自然が息づく、大自然に囲まれています。耳をすますと聞こえてくるのは、野鳥の鳴き声やリスが樹上の巣に駆け上がる音、それに風のささやきだけ。浅間山の麓、標高1280mにあるため夏でもクーラーがいらないほどの涼しさです。
そこに、忽然と姿を現わす南仏風の一軒家。まるで絵本の中に迷い込んだ錯覚さえ起こしてしまいそうなこの家は、ご夫婦が森を切り開き、基礎工事から作り上げました。
数年前にこの地を訪れて土地の魅力に惚れ込み、移住を決意した四国出身の植木ご夫妻。原生林を伐採し、重機で開拓するところから始めました。まずは自分たちの住む住居兼作業場を手作りし、もともとあった中古のログハウスを北欧風に大幅にリノベーション。
そしてこちらが基礎工事から着手し、昨年秋にできたばかりの、2棟目となる南仏プロヴァンス「コージーコテージ」です。
漆喰で塗り固めたモルタルの壁や、廃材を組み合わせた内装、扉の一つにいたるまでお二人のこだわりがぎっしり詰まり、その完成度の高さには目を見張るばかりです。
部屋のあちこちに飾られた小物類は、奥様が何十年もの間こつこつと集めてこられた宝物たち。家全体にあふれんばかりの愛情が感じられ、自然と笑顔がこぼれます。
バーベキューなどの自炊もできます
B&Bスタイルの「つくつく村」では、山を降りた先のレストランで食事をすることもできますが、キッチンにはIHコンロやレンジ、ル・クルーゼのお鍋にフライパン、包丁など必要なものはすべて揃っているので自炊もOK。奥様こだわりの食器やカラトリーもたくさんあるので、つい料理をしたくなってしまいます。
コテージ外にあるガゼボという小屋の中で好きなお肉を焼いてバーベキュー、グランピング気分だって満喫できます。
北欧風のコテージも
さぞや作り上げるまでの苦労があったのではと思いきや「本人たちは好きでやっているので、そんなに大変だと思っていないんです」と笑うお二人。奥様のイメージを形にするご主人、すてきなご夫妻を見ているととても和やかな気分になってきます。
ちなみに植木さんの飼い猫は3匹いて、チェックアウトの時間には出てきてお見送りをしてくれるんですよ。また運が良ければ散策中、天然記念物の野生カモシカに出くわすことも。
高原野菜たっぷりのモーニング
1日2組限定のすてきなDIYコテージ「つくつく村」。四季折々の自然を感じられる北軽井沢の森を、ぜひ満喫してくださいね。
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文:MIFA