※こちらの記事は2018年1月12日に公開したものです。
深い山々に囲まれた自然豊かな奥会津にある「ゲストハウス・ダーラナ」は、伝統的な古民家と北欧スタイルが融合したオーベルジュ。地元の食材を使った北欧家庭料理を楽しみながら、街の喧騒から離れてゆったりと流れる時間に身を任せてみませんか?
古民家×北欧が不思議にマッチ
福島県の南西に位置する南会津町は、都内からの直通列車で3時間ほどの会津の玄関口。ターミナル駅の会津田島駅から国道289号線を車で25分ほど走ると見えてくる、一風変わった古民家が「ゲストハウス・ダーラナ」です。藁葺き屋根と漆喰の壁に真っ青なラウンドトップの窓枠、玄関前ではスウェーデン・ダーラナ地方の伝統工芸品で幸せを呼ぶ木彫りの馬「ダーラへスト」がゲストをお出迎え。日本家屋に北欧らしさが溶け込む、温かみのある佇まいです。
奥会津の伝統的な古民家をリノベーション
長年北欧で料理修行をし、都内に専門店も構えるオーナーが、食文化や風土が北欧と似ている奥会津を気に入り、25年ほど前にオープン。築150年を超える伝統的な「曲家」(母屋と馬小屋が一体となった住宅のこと)をリノベーションし、レストラン兼小さなホテルへと生まれ変わらせました。
使い込まれた古民具が配置された広いお座敷の中央には囲炉裏が。夜には火が入り、宿泊者同士のコミュニケーションの場になることもあるそう。隣接する土蔵の向こうはダイニングルーム。お隣の純和風な雰囲気とはうって変わって、北欧の民家を思わせるアットホームな空間となっています。
オーナーこだわりの北欧スタイル
ゲストルームは3部屋。それぞれにオーナーのこだわりが詰まっています。例えばこちらには木製2段ベットが備え付けられ、さながら子ども部屋のよう。北欧らしい鮮やかな柄がかわいい布団にくるまったら、おしゃべりに夢中になって眠るのを忘れてしまいそうですね。
また、こちらはスウェーデン・ダーラナ地方出身の画家、カール・ラーションの名前が付けられた部屋。彼の暮らした家にちなみ、リボン柄のウォールペイントが施されています。窓辺に置かれた小さな机は読書をしたり、旅先からの便りを書いたりするのにぴったり。
凄腕シェフの北欧料理をおなかいっぱい召し上がれ♪
レストランでいただけるのは、季節の食材をふんだんに使ったおまかせコース料理。スウェーデンやノルウェー大使館のケータリングも手掛けるシェフが腕をふるいます。お皿やカトラリーにまでこだわった本場の北欧料理は目にも鮮やかでボリューム満点。季節やその日の食材の仕入れ状況によってメニューが変わるので、何度訪れても新鮮な気持ちで食事を楽しむことができます。
店内には北欧のアンティーク家具や雑貨、ティーセットなど、オーナー自慢のコレクションがいっぱいで、眺めているとまるで現地を旅しているような気分に。ランチやディナーのみの利用も可能なので、ドライブのついでに立ち寄ってゆっくり食事をするのもオススメです。
雪国ならではの冬の楽しみ方
「ゲストハウス・ダーラナ」のある南会津町は、福島県の中でもとりわけ雪深い地域。雪が降る場所にはなかなか足が向かないという人も多いかと思いますが、雪国と北欧の暮らしには重なるところも多く、冬の時期に訪れてこそ、その醍醐味をより感じられるというもの。しんしんと雪のふり積もる窓の外を眺めながら、暖かなお部屋でまったり読書をしたり、お茶を飲んだり。「“何もしない”ことが贅沢」というオーナーの言葉に従って、穏やかな冬の1日を過ごしに行ってみてはいかがでしょうか。
※掲載の内容は、記事公開時点のものです。変更される場合がありますのでご利用の際は事前にご確認ください。
文:渡部あきこ 写真:松岡純代