西オーストラリア州の観光名所の一つ、ウェーブロック!その名の通り波の形をした岩ですが、オーストラリアらしい迫力満点の人気スポットです。この波の形に注目され過ぎて、歴史的なことや他の岩のことなどがあまり目立っていませんが、この記事ではそんな隠れざるウェーブロックのあれやこれやを紹介します!

目次

ウェーブロックとは

ウェーブロック

高さ15m、長さ110mの波のような形をした花崗岩の岩。27億年の年月をかけ、天候による浸食でこのような形になったと言われています。

こんなに大きな岩ですが、大昔は地中に埋まっていました。雨風で地面が削られ、岩が地表に出てきては、岩を伝った雨水が地中部の岩を侵食し、下部になればなるほど太陽が届きにくいのでこのような形になったそうです。

案内板

この浸食は終わっておらず、まだ地中にはこれから波の形を作る岩が埋まっているんですって!そもそも、歩いている地面がウェーブロックの一部という不思議な感覚です。

また、この独特な縞模様は岩のミネラルが雨水に流されて跡が残ったものだそうです。

ウェーブロック

この波の形からウェーブロックと呼ばれていますが、実は正式名称はこの岩のある町ハイデンから由来してハイデンロックといいます。

ウェーブロックに登ってみよう!

ウェーブロック沿いに歩いて行くと、一番奥に階段があって登ることができます。登ってしまえばただの岩場のようですが、ところどころに面白い形の岩が転がっています。

ウェーブロック

岩の上の岩

岩の上の岩、すなわちこれらの岩もウェーブロックの一部なのです。

ウェーブロック

ウェーブロックの知られざる事実!!

ウェーブロックの上に何か長い塀の様なものがあるのですが、これは何のための塀だと思いますか?

ウェーブロック

これは日本人からするとびっくりするアイデアなのですが、実はこの塀を使って市民の生活用水としての雨水を集めているのです!

ウェーブロック

雨水が塀沿いに伝って、最後は最も低地のダムに溜まる仕組みになっています。

ウェーブロック

年間降水量が約330mmのこの地では、雨水はとても貴重なのです(東京は約1,500mm)。最初にこの塀とダムが建設されたのが1928年で、1951年には塀を更に長くし貯水量を9倍大きくしました。

日本に住んでいると水は河川や地下から引いてくるのが当り前ですが、乾燥したオーストラリア内陸部では、乾季には川は干上がり空っぽ、地下水は塩度が高くて飲めないのが当り前なので、雨水がとても貴重なのです。

この雨水だけが市民の生活用水でしたが、ついに2000年に水道管がパースまで繋がり、水資源に余裕がでてくるようになりました。それでも、このダムの水は今でも非常用の水としてとても貴重な存在です。

ちなみに、ここからパースまでは300km以上離れていますが、その間をパイプで繋いで水を送っています。けっこう長いように思われますが、パースから内陸部には多くの水道管が整備されており、金採掘で有名なカルグーリボーダーまでの約530kmの水道管は世界最長のものです。

ウェーブロック

この530kmの間に他に頼れる水資源がないほどオーストラリアの内陸部は乾いているということです。

大きなカバのあくび!?ヒッポ・ヤーン

ウェーブロックから1kmほど離れたところにも面白い形をした岩があります。

ヒッポ ヤーン

英語でカバはヒッポ(hippo)、あくびはヤーン(yawn)と言い、カバがあくびをしたような形なためヒッポ・ヤーンと呼ばれています。

喉の奥の方には穴があって少し登れるようにもなっています!

ウェーブロックをさらに楽しむための歩き方

ここまではウェーブロックのそれぞれのパーツについての説明でしたが、これを楽しむためには順路がキーになります。

駐車場はウェーブロック側とヒッポ・ヤーン側の2箇所が用意されていますが、手前のウェーブロックではなく約1km先のヒッポ・ヤーン側がおすすめです。というのも、ウェーブロック側だと、駐車場から歩いて5分ほど遊歩道を歩いているとたどり着いてしまい、感動が薄れがちになってしまいます。(逆に時間がない人にはウェーブロック側がおすすめ。)

ヒッポ・ヤーンからウェーブロックまでの間は約1kmの平坦な木陰のハイキングトレイルがあるので、そこを歩いてウェーブロックを目ざしましょう。このトレイルはウェーブロックに沿ってあるので、岩の側面の面白い侵食が見られます。

ウェーブロック

このトレイルを歩き終えてようやく見えるのがこの景色!

ウェーブロック

感動はひとしおです!!

ここでお決まりの写真撮影タイム。

ウェーブロック

やはりウェーブロックを波に見立てて撮りたいですよね!

実は、たまにサーフボードがウェーブロックの向かいの茂みの中に置いてあることがあります。それがあるとこんな写真が撮れます!

サーフィン風に撮影

これまで4回行っていますが、2回見つけました。それぞれ違うボードだったので、誰かが寄付的に置いていったものかと思われます。もしボードに乗って写真を撮っている人を見かけて自分も撮ってみたいと思うならば、『Could I use your bord for my photo?』と声をかけてみましょう。たいていの人はこれで貸してくれるはずです。

写真を撮り終えたら、さらに奥へ進むと階段があり、ウェーブロックに登ることができます。

岩の上は特に順路があるわけでもないので、好きなように歩いてOKです。上で紹介したような面白い形の岩を見たり、遠くに広がる塩湖を眺めたり、旅行者が石を積んでいくザ・海外な感じのエリアがあったりするので思い思いに楽しみましょう。

ウェーブロック

このまま岩の上からヒッポ・ヤーン側へ戻ることも可能ですが、階段は登ってきた一つしかないので凹凸のない急斜面の岩場を下ることになるのでおすすめはしません。もと来た階段を使って、降りて来た道を帰りましょう。

ウェーブロックの上には日陰はほぼないので、帽子とサングラス、日焼け止めは必須。夏は40度近くなることもあるので水を持参しましょう。夏は太陽の照り返しが激しいので、早朝に行くことをおすすめします。

ウェーブロックへのアクセス

パースから東に約340km、車で約4時間のところにあります。

パースから日帰りツアーもありますがかなり弾丸になるので、できればレンタカーを借りるなどして、道中泊まりながらオーストラリアの穀倉地帯の景色を楽しむロードトリップをおすすめします。

まとめ

ウェーブロックはオーストラリアの有名な観光地なわりにアクセスが簡単ではないので、ウェーブロックに行ったと言うと結構な旅通なイメージを持たれます。

また、波の部分だけを見て満足して帰ってしまう人もいますが、せっかくなので登ってみてください。この地域の様子や歴史を感じることができ、これぞオーストラリア!という学びがあるはずです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です